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お知らせ・活動報告
秋穂地区 秋穂あかり園 [詳細]
「内部事例研究発表会」

「内部事例研究発表会」



 

平成2681日(金)19時から20時半まで、特養、ケアハウス、デイサービス、グループホーム、居宅介護支援事業所、栄養士、調理員52名が参加して「内部事例研究発表会」を開催しました。園長より挨拶があり研修会がスタートしました。

今回の研修会には「丁寧な介護の実践と今後のための振り返り、そしてそれをどのよう共有していくか、その伝え方を鍛えるため」という課題も含まれており、発表する側は、聴く人に分かりやすく、想いや研究した内容を伝える方法を学ぶ会とし、司会者も同様にシナリオを作成せず、その場に応じたコメントや、進行ができるようになるというテーマで参加者全員が課題を持って研修会に臨みました。



そして、1事例目として「身体拘束廃止への取り組みについて」と題して、特養秋穂あかり園の花棟全員で研究したことを、代表者の3名が発表しました。







 

「身体拘束とは何?」「身体拘束されたらどんな気持ち?」「身体拘束しないためには」など、身体拘束が何なのか、なぜしてはいけないのか、実際に自ら拘束されたりし、身体拘束しないために支援者として何をすればよいのかを発表していきました。また、秋穂あかり園で使用している「身体拘束廃止マニュアル」「身体拘束廃止委員会の取り組み」にも触れ、初めての試みとして、職員を対象に行った「身体拘束についてのテスト」の内容について発表していきました。このテストでは、介護保険指定基準において身体拘束禁止の対象となっている11項目プラス、スピーチロックついて穴埋め方式で行いました。(※1 参照)

結果や回答を集計した上での正解、不正解の問題を分析しました。はじめは正解率が悪かった問題も多少出題傾向を変えて行った2回目、3回目には、ほぼ100%の正解を得ることができました。



 
(※1











 

質疑応答では、多くの質問や意見が出ました。その一部を紹介します。

 

Q1:「なんで大人になってまでテストをしないといけないのか!」と思った人もいると思いますが、実際に行ってみてどうでしたか?

A:正直言って「なんで子どもでもあるまいし!」と思いましたが、終えてみたら身体拘束について理解が薄かったことがわかり、今はテスト前より身体拘束について意識するようなりました。

Q2:「実際に身体拘束をされてみてどう感じましたか?」

A:自由を奪われ、かゆいところを掻く事ができず、動けない事で腰やおしりが痛くなりとても苦痛だとういことがわかりました。

Q3:「身体拘束しないための居室の工夫は?」

A:ベッドからの転落の恐れがある人には、ベッドを低くして、床にマットを敷きもしも転落してもケガがないようなにする。そして、居室に本人の好きな、花や写真を飾ったりして気分よく過ごしてもらうことで、精神的なリラックスが得られるよう工夫する。つまり、ハードとソフトの両面から考えています。

Q4:ドラッグロックとはどのような薬を使用した場合をいうのですか?

 

A:向精神薬を過剰に服用し動きを抑制した場合を言います。

園長より補足:向精神薬を使用したらドラックロックになるのではなく、本人の症状に応じた使用量をオーバーして使用し、動きを抑制する場合をいいます。向精神薬を服用することで逆に症状が落ち着き本人も気持ちが楽に生活できる場合があります。




(質疑応答時の様子)





次の事例は、「社会福祉法人の責務と役割」と題して、ケアハウス 秋穂温泉ホームの倉重生活相談員が発表しました。この発表は、9月に米子市で開催される「第46回 中国地区老人福祉施設研修大会」で発表する内容で、発表前の練習も兼ねて行いました。



内容は、ケアハウスが行っている「夢を叶えようプロジェクト」で入居者と夜釣りへ行ったり、自分の歌っているCDを作り歌手になった気分を味わってもらったりしたことを紹介、そして触法や虐待などの事情により、行き場がなかった方を「社会福祉法人の責務と役割」によりケアハウスで受け入れ、行政をはじめ関係各所と連携し、ケアハウスのスタッフの支援によって落ち着いた生活ができるようになったケースをパワーポイントを使い発表しました。






                                                           


ケアハウスの発表へ質問が出たものの一部を紹介します。


Q1:夜釣りに行くのは危ないのでは?

A:救命胴衣を一人1着用意して、もしも転落した際に備えてあります。また、特養の職員にも協力をお願いし、職員の引率人数を増やしたり、下見に行ったり、足下にライトを照らし転落などの危険がないようにしています。

Q2:諸問題のある方を受け入れられて、入居者とのトラブルはなかったのですか?

A:居室を覗いたりされて他の入居者から「こわい」という意見が出たこともありましたが、その都度職員が対応し、本人と「なぜ覗いてはいけないのか?」などの話を繰り返し行ったり、日々の生活に役割を持ってもらうことで、そのような行為が無くなっていきました。

Q3:「社会福祉法人の責務と役割とは何ですか?」

A:他の事業所から「受け入れできない」と拒否され、行き場がなく困られていた。社会福祉法人としてセーフティーネットの役割が必要ではないかと思う。

 

 

当初は、研修の時間を1時間に予定していましたが、質問や意見も多く出たため1時間半の研修会となりました。




 
 

最後は、園長より総評があり、花棟は身体拘束については、身体拘束とは何か!?身体拘束廃止マニュアルの見直し、自分たちで拘束を体験してみた。その結果、今後どうすればよいのか課題が見つかりました。身体拘束に関しては、秋穂地区の中では花棟が一番詳しい職員になりました。今後のケアに活かしていきましょう。

ケアハウスの発表も大変良かったと思います。イベントなどの企画は最後に決定するのは施設長です。利用者の夢を叶えたいのであれば、情熱と決意を持ってチームで話し合い様々なリスクも解消し覚悟を持って企画をして下さい。私も覚悟の上で決断します。リスクを超えたところにいい事もあります。利用者の夢を叶える事ができるように一緒に頑張っていきましょう!そして発表の中にもありましたが、私たち社会福祉法人には「地域貢献」「セーフティーネット」的な役割が求められます!社会福祉法3条・4条・5条の厳守これが私達の使命です。と締めくくり研修会が終了しました。

 

 

 次回の研修会では、特養の虹棟、事務室が11月に研究発表する予定です。

 

投稿日:2014年08月14日